栄養バランスを考えて食生活を劇的に変える

栄養バランス

大事なのは量だけでなく、栄養素のバランスのとり方です。
痩せるにはともかく、食べない、量を減らす、というふうになりがちです。
もちろん食べる量を制限する必要はありますが、ダイエットの目的は、健康で身軽な自分を実現することです。
食べずにひたすら我慢の結果体を壊したり、元気がなくなってしまっては、せっかくの決意と努力も水の泡ですよね。
むちゃな減量はトラブルの元です。

OLなど平均的な日本女性が1日生活するのに消費するエネルギーの量は2000kcal前後です。
なので摂取するエネルギーを例えば1日1200kcalに抑えれば、1日あたり800kcalの支出増になり、9日で約1kg、1ヶ月で約3~4kgの減量ができる計算です。
実は一般の人が自分で実行できる減食療法の限度もこれくらいといわれています。
1週間で1kg以上のペースで痩せようというのは危険です。

栄養と栄養素の違い

栄養とは人間をはじめとする生物が植物を摂取して、これを元にして生命を維持し健全な生命活動を営むことをいいます。
とういわけで、食品の中に含まれているのは、栄養素であって、栄養ではありません。
私たちが食べている食品に含まれている栄養素には、糖質、たんぱく質、脂質の三大栄養素をはじめ、ビタミン、ミネラル、食物繊維などがあります。

例えば、糖質が主な成分となっているのは、米、パン、めん類といった主食となる食品それと果物です。
たんぱく質は、肉類、魚介類、牛乳などの動物性食品と大豆やその製品、脂質は油類やバター、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品に含まれています。
ビタミン、ミネラル、食物繊維は野菜や、海藻、きのこ、玄米や胚芽米、かんぴょうなどの乾物類にも多く含まれています。
これらの栄養素と水はいずれが不足していても、体に支障をきたします。ダイエット中は特にどの栄養素も過不足なくとることが大切です。

バランスよく食べる

栄養素のバランスのとれたダイエットには、いろいろな種類の食品をまんべんなく少しずつ食べることが基本です。

糖質抜きダイエットは逆効果?

ダイエットといえば、糖分をなるべく摂らないようにって思いますよね。
でも甘い物は食べたい・・・と思うと、標的が糖質のご飯にいきがちです。
おかずだけでご飯を食べない人もいるでしょう。
でも効果がでない・・・なんてことありませんか?

それは、砂糖や果糖、はちみつなどの単純糖質は体に入ると小腸からすぐに吸収され、即効性のエネルギー源にはなっても、胃の中にとどまっている時間が短いため、空腹を感じるのも早いのです。
一方でんぷん質に代表される複合糖質は、ご飯、パン、めん類、いも類などに多く含まれ、単純糖質に比べれば吸収されるスピードはかなり遅めです。
糖質はとりすぎると、体内で脂肪に変化して、脂肪細胞の中に蓄積され肥満の原因になります。
しかし、私たちが生きていくうえで糖質(いわゆる炭水化物)は欠かせない重要なエネルギー源です。

糖質を全く取らないと血液中のケトン体が増加して、酸血症という危険な状態を引き起こしかねません。
ですので問題は糖質そのものではなく、とる量と種類なのです。
砂糖などの単純糖質ではなく、ご飯などの複合糖質をしっかりとることが大事です。

糖質はダイエット中でも1日最低100~150gはとりたいものです。
150gの糖質のエネルギーは600kcalです。
1日の摂取エネルギーの半分はご飯などの糖質からとることになります。
そのうち主食としてとれる量は480kcalはとりたいので、茶碗に軽く1杯が160kcalになるので、1日おちゃわん3杯が目安となります。
食パンなら6枚スライスの3枚分といった量になります。
このとき、玄米や胚芽米、麦やライ麦など食物繊維を多く含む食品を選ぶと、同じエネルギーでより満腹感が得られ、しかもビタミン、ミネラルの補給に役立ちます。

たんぱく質は満腹感を持続させる

筋肉、内臓、骨、血液をはじめ、私たちの体はたんぱく質なしにはあり得ません。
つまり生命維持と体内の代謝のために、ダイエット中といえども1日に標準体重1kgあたり最低1~1,3gのたんぱく質は必要です。

たんぱく質は20種類以上のアミノ酸がネックレスのようにつながってできています。
このうち8種類は人間の体内で合成できません。
そのため食品からとらなければならないので「必須アミノ酸」と呼んでいます。
この必須アミノ酸が多くしかもほどよい比率で含まれている物を良質のたんぱく質といっています。

牛肉60gの熱量は80kcalですが、その中に含まれるたんぱく質は約9gです。
肉、魚、卵、牛乳、チーズなどの動物性たんぱく質の方が、大豆や大豆製品などに含まれる植物性たんぱく質より栄養価が高く、良質と考えられていますが、動物性たんぱく質を多く含む食品には、動物性の脂肪が多いのも事実です。
60gの牛肉に含まれている脂質は約5g、せっかく良質のたんぱく質をとっても、カロリーオーバーや、血液中のコレステロールを増やしてしまってはしかたありません。
動物性、植物性両方のたんぱく質を上手に組み合わせることを心がけてください。

たんぱく質は体の中で脂肪に変化することが少なく、胃の中にとどまっている時間が長いので満腹感を持続させるうえ、「特異動的作用」といって食事としてとった摂取エネルギーを熱エネルギーとして放出する作用が大きいというダイエットに適した性質があります。
食事をして体が温まり汗をかいたりするのがこの作用です。エネルギーの体内蓄積が少なくなるというのは嬉しい話ですね。

脂肪とうまく付き合う

太るというのは体のあちこちに余分な脂肪が付くことなので、ダイエットでは脂肪は目の敵にされがちですが、栄養素としてのメリットを生かす考え方が、バランスのとれたダイエットにつながります。

まず1gにつき9kcalというエネルギーは糖質やたんぱく質の2倍以上で、持久力を要するときに力を発揮します。
胃にとどまる時間が三大栄養素の中で一番長く、腹持ちがいいのも脂肪です。
脂肪をとっていると、血液の中の脂肪分がエネルギーとして消費されやすくなり、その分皮下脂肪に変わる脂肪量が抑えられます。
これらの働きをいかすためには、1日1200kcalのダイエット中の人でも25~40gの脂肪をとる必要があります。
ただこの量はもともと平均50~60gほど摂取している日本人の食生活では、よほどの脂好きでなければそう苦しい制限ではありません。
むしろとる脂肪の種類に注意が必要です。

バターやチーズ、ラードのような動物性脂肪に多い飽和脂肪酸は血液中のコレステロール値を上昇させ、動脈硬化を引き起こし心筋梗塞や脳卒中につながる危険があります。
このコレステロールを低下させる作用があるのが、植物性の脂肪に多く含まれている不飽和脂肪酸です。
中でもリノール酸にこの作用が強いといわれます。
紅花油、ごま油、大豆油やひまわり油などの植物油がその代表です。
特に紅花油はその60~80%がリノール酸だといわれています。
植物性といっても、ピーナッツ油とやしの実油は例外で飽和脂肪酸が多いです。

隠れた脂肪に注意!

ダイエット中に最も注意するのが、知らず知らずのうちに口にしている「隠れた脂肪」です。
クロワッサンやベーコンなどをはじめ、ポテトチップスなどのお菓子、サラダのドレッシングやマヨネーズ、洋食のソースなどにも意外にたっぷりのバターやクリームなどが使われています。
高カロリーであるうえに、飽和脂肪酸の多いこれらの食品は、コレステロールを増やすことになります。

まずこのような食品は避けるのが無難です。
ソースは残し、ドレッシングやマヨネーズ類をやめてレモンやお酢で変化をつけて食べる工夫をする。
カロリーを抑えるには、調理法も気をつけます。
肉や魚は網焼きか、しゃぶしゃぶなどにすると脂肪を落とします。
油のいらないテフロン加工のフライパンも使うとよいでしょう。
天ぷらやフライより素揚げにしたり、野菜を生から炒めるよりは一度蒸したりゆでたりしたほうが、同じ油でも使用量を抑えることができます。

カレーやシチューも浮いてきた油をすくい取りながら煮込み(徹底的にやるなら、鍋を冷蔵庫に入れて冷やして固まった油を取り除くという方法もあります)、ルーのバターをリノール酸を含んだ植物性のマーガリンにしてみるとか。
エビなら天ぷらにしたいところを、塩焼きにしてみたり。スープもポタージュスープをコンソメにしてみたり。
目先を変えて、全体のエネルギーを抑える工夫をしましょう。

ビタミン豊富な低カロリー野菜

三大栄養素である糖質、たんぱく質、脂質が体内で代謝されてエネルギーを発散させる、その過程に重要な役割を果たすのがビタミンです。
このビタミンやミネラルは、ガソリンを効率よく燃焼させるエンジンオイルのようなものです。
ビタミンは、脂肪に良く溶けるA、D、E、Kなどの脂溶性と、水に良く溶けるB1、B2、B6、B12、C、ニコチン酸、パントテン酸などの水溶性に分けられます。

レバー、豆類、魚、野菜、海草、きのこなどの食品が主なビタミンの供給源です。
体内で合成できないビタミンは、食事から積極的にとらなければなりません。
特に野菜は1日最低300gは必ずとりたいものです。
300gの野菜のエネルギーは約80kcalと量はあっても熱量は少なめです。
ダイエット中の身には理想的なビタミン供給源です。

最近では市販のサプリメントで簡単に補給できますが、「どの栄養素も過不足なくバランスよく」を基本とするダイエットを実践していれば、薬の必要は本来はありません。
むしろ怖いのは素人判断のビタミン剤のとりすぎです。
水溶性ビタミンは、とりすぎても余分は尿とともに排出されますが、ビタミンA、Eなどの脂溶性ビタミンは、取りすぎると肝臓などに蓄積されて中毒を引き起こす危険もあります。
どうしても不足が出そうな場合、食べられる食品に限りがあるような場合は専門家に相談して、処方というかたちで摂取したほうがよいでしょう。
必要なものは食事からとる原則を忘れないようにしましょう。

野菜のビタミンは、保存や調理によって破壊されやすい欠点もあります。
できるだけ新鮮な野菜を生のまま食べるのが第一歩ですが、中には、にんじんやほうれん草などに含まれるカロチンのように、油を使って調理したほうがずっと吸収されやすくなるものもあります。
また、おひたしや煮物などのように、ゆでたりするとかさが減ってたっぷり食べられるのも野菜料理の特徴の一つです。
調理して失われるビタミンを気にするより効率よくたくさん食べられれば、そのほうがいい場合もあります。ビタミンそれぞれの特徴を生かして、おいしくヘルシーに食べる工夫をしましょう。

水も貴重な栄養源!

水は体重の50~60%をしめ、人体を構成する成分の中で元も多いものです。
水なしで暮らすことは不可能で、無理な水分制限を自己流で続けて脱水症状を起こしたり、さらに血液が濃くなると固まって血栓ができて、脳梗塞や心筋梗塞などを起こす場合もあります。

1日の水分の摂取と排泄のバランスは、飲料水としておよそ1500mlで、食物から1000ml弱の水分を取ることで成り立っています。
ダイエット中は食べる量自体が抑えぎみになる分、この食物からとる水分がやや減ることになります。
その分飲む水の量を多めにするくらいのつもりで大丈夫です。
水はたくさん飲んでも一時的に体重は増えますが、健康な人なら余分な水分は尿となってやがて排泄されますから心配はありません。
ただし、心臓や心臓に病気のある人で医師から水分を制限されている人はそちらの注意を守ってください。

塩分や糖分は体内に水分を蓄える方向に作用するということをご存知でしょうか?
塩辛いものや甘いものをたくさん食べると、体内の水分量が増えます、逆にダイエットを始めて塩分や糖分を減らすと、水分が尿になって排泄されます。
ダイエットの最初の数日に体重が急に減ったなと感じる原因の一つがこれです。
ただし、こうして減った水の重さは塩分や糖分をまた食べると元に戻ります。
薄めの味付けも食べ方の大事なポイントになります。

のどが渇いたらまず水を飲む。
毎日食物からとる水分のほかにも、少なくてもコップ4杯の水を飲むようにしましょう。
これは当たり前のことのようですが、意外にのどが渇いたとき無意識の習慣で清涼飲料水やジュース砂糖入りの飲み物に手の出る人が多いものです。
すぐ自動販売機の前に立っている人は、ちょっと待ってください。
こうした飲みものはいずれも高カロリーのうえ、空腹感をよけいに刺激してしまいます。
のどが渇いたらまず水かお茶を飲むように心がけましょう。
コーヒーや紅茶も砂糖やミルクなしなら特に問題はありません。
ただしコーヒーの飲みすぎは心筋梗塞などにつながってくる恐れもありますので控えめにしてください。

水分の多い食品をとることも大切です。
ほうれん草も90%は水分で、セロリやレタス、きゅうりなどの野菜やメロン、スイカ、オレンジなどの果物も水分たっぷりです。
しかし、みずみずしい果物は一方で太りやすい果糖という単純糖質も含まれていますのでその点は注意をしてください。


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