初めてのフランス料理で戸惑わない全料理別マナー

初めてのフランス料理で戸惑わない全料理別マナーのポイント解説
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フランス料理の食べ方

運ばれてくる料理ごとに食べ方を考えていたら、味も分からなくなってしまいます。
自然に美しくできるように、普段の食事から心がけたいですね。
一般的なフランス料理の流れと、それぞれのいただき方についてまとめてみました。

オードブル

オードブルとは前菜のことです。
テリーヌや生の魚介のような冷製料理や、エスカルゴのように温かい料理が出る場合もあります。

テリーヌやパテ

冷製オードブルの代表的なもので、フォアグラやキャビアといった高級食材が使われていることがあります。
ナイフとフォークを使って左端から一口大に切っていただきます。
テリーヌとパテの違いは、テリーヌはテリーヌ型に肉や魚、野菜のすりつぶしなどを詰めオーブンで焼き上げた料理で、パテはパイ生地で肉や魚、野菜などを包んでオーブンで焼いた料理です。
ともに切り分けて出されるので、よく似ています。

エスカルゴ

エスカルゴは食用カタツムリのことです。
殻が熱い場合はトングが出てくるので、左手で持って殻をはさみ専用のピックで身を取り出します。
殻が熱くない場合は手で持ってもかまいません。

カナッペ

オードブルには手でつまんで食べる料理がでることもあります。
カナッペはその代表的な料理です。

キャビア

専用のスプーンがついてくるのですくって食べます。
クラッカーがついている場合は、クラッカーを左手に持ち、キャビアをスプーンでのせて一緒にいただきます。

殻つきの生カキ

レモンを絞るときは、汁が飛び散らないように左手で覆います。
左手で殻を押さえ右手でフォークを持って食べます。
殻を手に持ち殻の中の汁を飲んでもかまいません。

取り分けるとき

サーバーのフォークの背とスプーンの間に人差し指をはさんで持ち、スプーンにのせた料理をフォークの背で押さえるようにして取り分けます。
自信がなければ、フォークとスプーンを別々に両手で持ってもかまいません。

スープ

スープには温かいものと冷たいもの(冷製)があります。
またコンソメとポタージュもあり飲み方はどちらも変わりません。
ジュレといってコンソメスープなどをゼリーで固めて食べるタイプのスープもあります。

洋式のレストランで嫌われるのが、音を立てて食べることです。
「飲む」より「流し込む」つもりで、具が多いときは「食べる」つもりでいると失敗しません。

飲み方

1、スプーンを軽く持ち、皿の手前から向うへ縦に動かしてスープをすくいます。左手は皿の左側にさり気なく添えておきます。
2、手首を曲げスプーンの先端に口をつけて飲みます。姿勢を正したままスプーンを口元まで持っていきます。(スプーンの横側に口をつけて飲む方法もあります。)
3、スープが少なくなったら、左手で皿の手前を少し持ち上げてスープを向こう側に集めてスプーンですくいます。

スプーンを手前から向こう側へ動かす方法はイギリス式で、向こう側から手前側へ動かす方法はフランス式もありますが、どちらを使ってもかまいません。

取ってのついているカップの場合

手で持って飲んでもいいし、スプーンがついていればスプーンですくって飲んでもかまいません。
取ってが両側についている場合は、両手で持って、片側だけの場合は右手で持って飲みます。

飲み終わったら

スプーンから自然に手を離した形で皿の中にスプーンを置きます。
器の中に置くと安定が悪い場合は、受け皿に置きますが、手前でも向こう側でもかまいません。

パン

パンはあらかじめ、パン皿に置かれている場合と、途中で接客係が運んでくる場合があります。
接客係がかごに入ったパンを持ってきたら、好きなものを手で取って左側にあるパン皿に置きます。
お代わりができるので最初からたくさんとらなくても大丈夫です。
パン皿がないときは、テーブルクロスの上にじかに置きます。
メインの皿の上におかないように、メインの皿の左横の邪魔にならないところに置くといいでしょう。

食べ方

1、パン皿の上に置かれているバターナイフを使い、バターを適量取り分けパン皿の上に置きます。
2、パンをひと口で食べられる大きさに手でちぎります。
3、ちぎったパンにバターナイフでバターをつけ、ひと口でいただきます。

パンを食べるタイミング

最初からパンが置かれている場合はスープが出たら食べ始めるようにします。
途中で出される場合は、運ばれてきたときが食べるタイミングです。
パンはスープからメインディッシュの間好きなだけ食べてよく、お代わりも自由にできます。
最初から食べ過ぎるとメインディッシュが入らなくなることもあるので注意します。
また、お代わりしたものを残すことはよくありません。

NGな行為

パンをかじる
パンをちぎらずにそのままかじりついたり、大きくちぎったパンを歯で噛み切ったりしてはいけません。
バターの塗り方
いちいちバターを塗るのは面倒だからと、最初にバターを前面に塗ってしまってはいけません。
パンくずを集める
パンくずはあとで接客係がキレイにしてくれるので、一ヶ所に集めたり、パン皿などの中に入れてはいけません。
パンくずを払う
パンくずが気になるからとテーブルの下に払い落としたり、散らしたりしてはいけません。
スープに浸す
メインディッシュのソースの残りをパンにつけて食べるのは、ソースのおいしさに満足していることでもありマナー違反ではありませんが、スープにパンを浸して食べるのはどんな場でもNGです。

魚料理

季節の魚介がグリル(鉄板焼き)や、ブレゼ(蒸し魚)などさまざまな調理法で出されます。
たいてい頭や骨がはずされ食べやすく調理されています。
ソースをたっぷり使ったものには、ソーススプーンが添えられることがあります。
左端からナイフで一口大に切り、フォークでいただきます。
付け合せの野菜なども小さく切って食べます。

丸ごと魚が出てきた場合の食べ方

1、フォークで身を押さえ背骨に添ってナイフを入れます。
2、手前の上身を骨からはずし、左端から切って食べます。そのあと向こう側の上身を手前に持ってきて同様に食べます。
3、表側の身を食べ終わったら、骨の下にナイフを入れ、頭と一緒に向こう側に置き下側の身を食べます。

ソーススプーンの使い方

ソースの多い料理でソーススプーンがついている場合、右手でソーススプーンを持ちソースをすくって味わいます。

パンにソースをつけてもいい?

魚料理のソースは残すともったいないので、パンにつけて余すことなく食べるのが礼儀ともいわれていますが、格式の高いレストランや改まった席では避けたほうが無難です。

肉料理

まさにメインディッシュで、フルコースの主役です。
使われる肉には、子牛や子羊(ラム)、鴨などがよく使われます。
また野うさぎやきじ、うずらなど野鳥類が使われることもあります。
調理法もグリル(鉄板焼き)に限らず、ロースト(あぶり焼き)やブロシェット(串焼き)などいろいろあります。

左端から一口大に切っていただきます。
フォークでしっかりと押さえナイフを向こう側に押しながら力を入れます。
最初に全部切り分けてしまうのはNGです。

ブロシェット(串焼き)の場合

金属製の大きな串が使われているので、左手で串を持ち右手にフォークを持って具をはずしていきます。
抜いた串は皿の向こう側に置き、具を切っていただきます。
串が熱い場合は、ナプキンを使って持ちます。
冷めるのを待っていると肉が抜けにくくなるので注意してください。
小ぶりの串であっても、串に指したまま持って食べるのはNGです。

骨付き肉の場合

骨を手で持って食べてもかまいませんが、改まった席ではナイフで一口大に切っていただきます。
その際あまり骨の近くまで食べようとすると、ナイフが滑って粗相することもあるので、適当なところでやめておきます。

ステーキの焼き加減

ステーキの場合好みの焼き加減を聞かれることがあります。

レア → 表面だけを焼いて生が生焼けの状態
ミディアム → 中がほんのりと赤い状態
ウェルダン → 中までしっかり火が通っている状態

があり、それぞれの中間にミディアムレアミディアムウェルダンがあります。
自分の好みを伝えられるようにしておきましょう。

ソースが後から出てくる場合

肉料理ではソースが後から出てくることもあるので慌てて食べないようにしましょう。
ドロっとした濃い目のソースは肉全体にかけずに皿の片隅にかけ、さらっとしたソースは全体にかけるようにします。

口直し

正式なフランス料理のフルコースでは、肉料理がステーキとローストの2品出ます。
その間にサッパリとさせる口直しとして、ソルベやグラニテなどの小さい氷菓が出されます。
現在は肉料理は一皿になっているので、魚料理と肉料理の間に口直しが出ることがあります。
ソルベやワインやジャンパンなどをベースにしたシャーベットで、グラニテは果汁ベースのシロップを凍らせたものです。

サラダ

サラダには口中をサッパリさせ、肉料理で酸性化した血液を、野菜のアルカリ性で中和するという目的があります。
肉料理と一緒に出されることもありますし、オードブルのあとに出ることもあります。

フォークだけで食べられるものもありますが、右手にフォークを持って食べるのは略式のマナーとされています。
それほど改まった席でなければOKですが、その場合は左手を器に添えるようにします。

サラダの皿はメインの皿の左奥に置かれるので、食べる分ずつメインの皿の隅に移していただきます。
移すときにドレッシングをたらさないように注意します。
レタスなどの大きな葉のものは、ナイフとフォークで一口大に折りたたんでフォークで刺して食べます。
ナイフで切ると音が立ちやすいので辞めましょう。
野菜にフォークが刺さりにくい場合は、左手にパンを持ってサポートしてもOKです。

サラダの器が小ぶりであっても、器を手で持たずに、テーブルに置いたままいただきます。
トマトなどの野菜がひと口で食べれないときは切って食べますが、野菜は意外に切りずらいのでナイフで金属音を立てないように注意してください。

チーズ

料理が終わるとデザートコースが始まります。
そのつなぎの役目を果たすのがチーズですが、おなかに余裕がないときは無理に食べなくてもかまいません。
お店の人がチーズを持ってくるので、その中から好みのものを2~3種類選びます。
よくわからなければ、お店の人に聞いたり好みの味を伝えたりして選びます。

食べ方

1、チーズ用のナイフとフォークがセットされるので、それで小さく切っていただきます。
2、やわらかいチーズはパンやクラッカーにのせて食べてもいいです。

チーズの種類

フレッシュ

熟成させないチーズで爽やかな味です。

白カビ

カマンベールやブリに代表されるクリーミーでソフトな味のチーズです。

青カビ

ブルーチーズと呼ばれ独特の風味と刺激があります。

シェーブル

山羊の乳で作った個性的な味のチーズです。

ウォッシュ

表面を塩水などで洗うチーズで濃厚な味わいです。

セミハード

チェダーなどやや固めのチーズです。

ハード

かたいチーズでパルミジャーノ・レッジャーノが有名です。

デザート(アントルメ)

アントルメとは甘い菓子のことです。
ケーキなどの焼き菓子や、アイスクリームなどの冷菓などがあります。

食べ方

1、数種類が盛り合されている場合は、まず冷たいものや味のマイルドなものからいただきます。
アイスクリームやプリンなどはスプーンでいただきます。
2、飾りも本体と一緒に食べます。大きい場合は本体からはずしてナイフとフォークで切って食べます。

デザートがのったワゴンが、テーブル席まで来て好きなものを選べるというお店もあります。
食べ放題とはいっても、欲張って残してしまってはいけません。
食べられる分だけ選ぶようにしてください。

デザート(フルーツ)

デザートの2品目はフルーツですが、アントルメと盛り合わせになることもよくあります。
たいてい食べやすいように皮や種が除かれて取り分けられていますが、大きければデザート用のナイフとフォークで一口大に切っていただきます。

メロンの食べ方

1、フォークデ果肉を押さえて、ナイフで皮に沿って切り眼を入れます。ナイフは入れやすいところまでで止めます。
2、メロンの向きを変え一口大に切って食べます。ナイフを入れたところまできたら、また右側からナイフを入れて最後まで食べます。

種のあるもの

さくらんぼやぶどうなどの種を出すときは、手を握って口あてその中に出します。
種は皿の隅にまとめておきましょう。

フィンガーボールの使い方

手を使って食べる料理の場合、フィンガーボールが出てきます。
レモンスライスが浮いている場合もありますが飲みものではありません。
汚れた指先を片手ずつ洗ってナプキンで拭きます。
両手を一緒に入れるのはNGです。

コーヒーとプチフール

いよいよコースの締めくくりです。
コーヒーや紅茶など飲みものの希望を聞かれるので、好きなものを選びます。
コーヒーはレギュラーコーヒーのほかに、濃いエスプレッソコーヒーを出すお店もあります。
紅茶はレモンやミルクを選びます。
飲みものと一緒にプチフールという小さい菓子が出てくることもあります。

コーヒーや紅茶のカップを持つときは、底に左手を当てません。
これは日本式の作法なので注意してください。
小指も立てないように注意します。
砂糖やミルクを入れてかき混ぜたスプーンは、ソーサーの向こう側に置きます。

プチフールは日本のお茶うけにあたる小さい菓子です。
全部食べなくてもかまいません。
指でつまんでいただきます。


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