病気やけがのお見舞い
お見舞いをするときは、先方の負担にならないように相手の状況を一番に優先することが大切です。
伺ってよいか、伺う時間帯はいつがよいかを、身内の人に確認してから出かけるのがマナーです。
上司や同僚が入院したとき
個人で判断せずに、職場のみんなと相談して決めることになると思います。
面会に直接行くことが無くても、お見舞いの品は全員でお金を出し合って贈るのが基本です。
また、上司や同僚の家族が入院したときは、その症状によってお見舞いの品を贈る場合もあります。
1週間以内の短期入院で症状も軽い場合は、上司や同僚にお見舞いの言葉を伝える程度で十分です。
短期入院などの場合、お見舞いしてしまうと、かえって気を遣わせてしまうことにもなってしまいます。
友人が入院したとき
病気の状態によっては遠慮したほうがいい場合もあります。
かなりやつれていたり、痛みなどのひどいときは、来られても辛いときもあるので、家族の判断に任せるようにします。
遠慮してくれるようにと言われたら、花を贈ったり、家族に伝言を頼むようにします。
お見舞いの品
商品券や現金はあまり高額すぎるのも相手の負担になります。
個人で贈るときは一万円を超えないほうがいいです。
のしなしの紅白の「結び切り」を使い、表書きは「御見舞い」「御伺い」とします。
グループで贈るときでも、四千円や九千円など「4と9」のつく金額は避けます。
贈って喜ばれる品、嫌われる品
お見舞いというと、花束とともにお菓子や果物が定番です。
食べ物は人によって好き嫌いがありますし、食事療法をしている場合好きな食べ物を贈ったとしても、食べられないことがあります。
食べ物を贈る場合は、慎重に決めないといけません。
逆に何の制限のないときは、お菓子や果物、ジュースなどは喜ばれる贈り物ですが、消化の悪いもの、日持ちの悪いお菓子などは不向きです。
長期入院している場合は、パジャマやタオル、肩掛けなども喜ばれます。
よほど親しい間柄でない限り、下着を贈るのは控えます。
本や雑誌、CDなど退屈をまぎらわす品も喜ばれます。
手術後の相手に、大笑いするようなマンガや本などは、傷口によくないので控えます。
安静にできることを優先した、商品選びが大切です。
花を持参するときの注意点
お見舞いにタブーとされている花があります。
- 香りの強い花、色のどぎつい花(患者を刺激して、安静の妨げになります)
- 鉢植えの花(根がついていることから、「寝付く」を連想させてしまいます)
- シクラメン(その名前が「死苦」に通じてしまいます)
- 椿の花(花が「首から落ちる」ため死を連想させてしまいます)
- 菊の花(葬式の花とされているので不吉です)
- 真紅のバラ(血の色を連想させてしまいます)
ほかにも、大きな花束や、4・9・13などの本数は避けるようにします。
花を持参するときは、花瓶も用意していくのも礼儀です。
病室に花瓶が無かったり、あってもほかの花が生けられていることもあります。
すでにアレンジメントされている花束の場合はそのままでもかまいません。
商品券や現金を送る場合
上司や同僚
会社の決まりに従うのがイチバンです。
仲が良い同僚やお世話になっている上司の場合は、グループで贈るのとは別に三千円ぐらいの予算で個人的な贈り物をするのもOK。
友人
個人で贈る場合五千~一万円が相場になります。
グループで贈る場合は一人三千円程度で。
おじ、おば、いとこ
五千~一万円。
お見舞いの心得
症状や入院した理由によっては、「お見舞いしないのが最高のお見舞い」というケースもあります。
お見舞いしない例
- 盲腸炎などの短期外科手術の患者の場合(笑ったりすると傷口が開くことがあります)
- 出産間近で産婦人科に担ぎ込まれた場合(見舞い客の相手ができません)
- 子供の患者(人が来ると興奮するため、症状が悪化したり夜眠れなくなることがあります)
- 顔面を怪我した女性患者の場合(女性心理として、顔を見られなくないものです。)
面会時間は、午前中は回診や検査など立て込んでいることが多いので、昼食が終わってくつろいでいる午後2~3時頃がベストです。
病院の面会時間を確認しておくのも大切です。
大勢でお見舞いに行くと、相手も疲れてしまい、同室のほかの患者にも迷惑をかけてしまいます。
小さいお子様も、はしゃいだりすると迷惑をかけてしまう場合があるので、患者の孫という場合は別として、なるべく控えます。
服装も、派手な服や黒い服で行かないように気を配りをします。
お見舞いに行ったとき患者がぐっすり眠っている場合は、付き添いの人にお見舞いの品やメセージなどを渡して、そのまま帰るようにします。
病状は興味本位で詳しく聞かないようにします。
面会中のタブー
相手の病状や心情を思いやり、会話の話題にも十分注意します。
- 症状について深入りしない。
- 同じ病気のほかの患者と比較しない。
- 仕事や遊びの話をしない。
患者が面会謝絶、危篤のときは
病状が悪化して面会謝絶のときは、家族以外の入室はできません。
こういう場合は、看護師さんに家族を呼び出してもらい、家族の人にお見舞いのあいさつして、お見舞い品を渡してそのまま帰るようにします。
家族が付き添っていないときは、付き添いの人か看護師さんい伝言しておきます。
手術後などで面会謝絶のときは、家族の人にいつ頃回復するかを尋ねておいて後日出直します。
お見舞いに行ったら患者が危篤だったという場合は、家族も気が動転しているはずなので、とても話せる場合じゃないと思います。
ひとまずその場を引き上げてからか、時間があれば待合所で待って、様子をみるのが無難です。