わかっていても見直しておきたい敬語【尊敬語・謙譲語・ていねい語】

わかっていても見直しておきたい敬語【尊敬語・謙譲語・ていねい語】のポイント解説

会話は相手との距離感を間違えないこと

言葉づかいは相手との親しさによって、違って当然のものです。
先輩や上司、先生など目上の人と話すときに、普段仲の良い友人と話すときのような言葉を使ったら、やっぱり失礼になってしまいますし、友達や目下の人と話すときに、敬語ばかり使っていたら、ちょっとおかしいですよね。

初めて会う人に対して、もしぶっきらぼうな言葉づかいだったら、相手は「なれなれしい人だな」という印象を与えてしまうと思います。
逆に何度も会っている同世代の人に対して、いつまでも敬語ばかりで話していると、「堅苦しい人だな」なんて印象がついているかもしれません。

会話は、相手との距離感を間違えないことが大事です。
自分と相手の間柄や距離感が、今どのくらいなのかを考えて、言葉も選ばないといけません。

普段の会話では自分らしく話せるのに、敬語を使うとなると緊張して話せなくなってしまう、そんな経験は誰もがしてきていると思います。
言葉はたったひと言でも相手との距離を近づけたり、遠ざけたりします。
自分自身の気持ちをきちんと伝えるために、会話にもマナーが必要です。

尊敬語

上司や先輩、先生や親戚の人など、目上の人と話すときに、相手を敬う気持ちを表す言葉が敬語です。
敬語には、【尊敬語】【謙譲語】【ていねい語】の3種類あって、それぞれ使う相手や状況によって違ってきます。

外国の人たちから見ると、日本語は敬語など難しい使い方があるので学ぶのに苦労するって言われてますよね。
しかし、母国語が日本語の私たちから見ても、やっぱり敬語の使い方って難しいですよね。
でも、ていねいできちんとした話し方には、その人の心遣いが表れているって思います。

日ごろから使い慣れていないと難しいものだけど、上手に使えるように、敬語の使い方のルールを覚えることから始めてみませんか?

尊敬語の例

相手の動作や物を高めることで、敬う気持ちを表します。
相手の立場を上にする言い方です。

1.お・ご+相手の持ち物

・お洋服
・ご本

2.お・ご+相手の動作+「になる」

・聞く → お聞きになる
・訪問する → ご訪問になる

3.お・ご+相手の動作+「くださる」

・お越しくださる
・ご案内くださる

4.相手の動作+「れる」「られる」

・思う → 思われる
・行く → 行かれる
・帰る → 帰られる

5.尊敬の動詞

・食べる → 召しあがる
・行く → いらっしゃる
・見る → ご覧になる

謙譲語

尊敬語とは逆に、自分の動作を低める言葉で、相手に尊敬の気持ちを表します。
身内についてのことや、社外の人に対して社内の人を表すときにも使います。

謙譲語の例

1.自分側の人間をへりくだって呼ぶ

・愚妻
・愚息

2.お・ご+自分の動作+「する」

・調べる→お調べする
・案内する→ご案内する

3.自分の動作+させていただく

・調べる→調べさせていただく

4.謙譲の動詞

・言う→申す

間違えやすい尊敬語と謙譲語

語例 尊敬語 謙譲語
言う 言われる、おっしゃる 申す、申しあげる
聞く 聞かれる、お聞きになる うかがう、拝聴する、承る
話す お話になる お話しする
書く 書かれる お書きする
見る 見られる、ご覧になる 拝見する
読む 読まれる、お読みになる 拝読する
食べる 召しあがる いただく
行く 行かれる、いらっしゃる 伺う、まいる
来る お越しになる、お見えになる、
いらっしゃる、おいでになる
まいる、伺う
帰る 帰られる、お帰りになる 失礼する
知る ご存知、お知りになる 存じる、存じあげる
もらう お受け取りになる いただく、頂戴する
思う 思われる 存じる
待つ お持ちになる お持ちする、持参する
借りる 借りられる、お借りになる お借りする、拝借する
返す お返しになる お返しする
会う お会いになる お目にかかる、お会いする
いる いらっしゃる、おいでになる おる
与える くださる、賜る あげる、さしあげる

ていねい語

話し方や言い回しをていねいにすることで、相手への敬意を表す言葉です。
敬語の中でいちばん使われる言葉で、初対面の人への言葉づかいの基本であり、ビジネスの場面では欠かせません。
友人や同僚に対しても、「です」「ます」をつけるだけで、ぶっきらぼうなイメージがとれて、やさしい雰囲気になります。

ある・・・あります、ございます
する・・・します
行く・・・行きます
思う・・・思います
もらう・・・もらいます
いいですか・・・よろしいでしょうか
いいです・・・けっこうです
男(男性)の人、女(女性)の人・・・男(男性)の方、女(女性)の方
だれ・・・どなたさま、どちらさま
私たち・・・私ども
どこ・・・どちら
これ、ここ・・・こちら
さっき・・・さきほど
今日・・・本日
おととい・・・一昨日

敬語の呼称

手紙を書くとき以外にも、会話の中で相手を呼ぶときの敬称に、基本のルールがあります。
自分の身内をへりくだる話し方も、意外と出てこないものです。
下の敬称の例を是非参考にしてください。

語例 相手方 自分や身内側
相手と自分 あなた、あなたさま わたし、わたくし、私ども
ご主人、ご主人様 夫、姓または名で呼ぶ
奥様 妻、女房、家内
両親 ご両親様、お父様、お母様 両親、父母、父、母
息子 ご子息(様)、お坊ちゃま、息子さん 息子、愚息、名前で呼ぶ
お嬢様 娘、名前で呼ぶ
お宅 我が家、拙宅
会社 貴社、御社 小社、当社
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