低インシュリンダイエットで脂肪を燃やす10のポイント

低インシュリンダイエットの仕組み

低インシュリンダイエットとは、
インシュリンを低くおさえる食品を摂ることで、血糖値を低く保ち、インシュリンの脂肪合成を阻止し、脂肪燃焼をすすめるというダイエット法です。

食事をして炭水化物が体内で糖に変化して血糖値が上がると、すい臓からインシュリンが分泌され、血中で働いて血糖値を下げます。
インシュリンは脂肪を蓄えると同時に、脂肪の分解をセーブするため、インシュリン分泌が多ければ脂肪が増えてしまいます。
インシュリンの分泌量にも個人差があり、運動をしている人はインシュリンが少ししか分泌されませんが、運動をしない人はたくさんのインシュリンが分泌されます。
そこで運動をしない人はインシュリンの量が減るように、血糖値を上げない食事をしなければいけません。

インシュリンが常に高い状態が続くと、インシュリンが作用しなくなったり、分泌しなくなって、糖尿病になる可能性があります。
また、インシュリンが出すぎるのも、逆に血糖値が下がりすぎて、めまいなど起こしてしまう危険性もでてきます。
この急激に上がったり、下がったりするのが一番いけません。

血糖値を穏やかに上げる食品が、GI値の低い食品です。
GI値はカロリーのように机上の計算で出された数字ではなく、きちんと実際に人体で確かめられたものです。
計算に使うのも数字ではなく、複数の食品を比べる基準としてのみ使います。
GI値を見て、一般的な一人前の分量の中で、食品をGI値が低いものに変えるだけで充分効果が上がる、
実践できる、実在的ダイエット法です。

太る原因はインシュリン?

太っているってどういう状態のことでしょう?
体重が多いと太っている?体重と慎重の比率の関係?
同じ体重でも身長が違ったり、同じ身長でも筋肉質のスポーツマンや3段腹の人だっていますよね。
身長と体重だけでは割りきれません。

太っているということは、脂肪が多いということです。
体脂肪率は、男性なら25%、女性では30%を超えると医学的にも「肥満」と判定されます。
この脂肪は、

食べたカロリー - 消費カロリー = 脂肪

と考えられています。
しかし体はストレートにカロリーを体の脂肪にするわけではありません。
体は「余っている」と判断した時にだけ脂肪として蓄えます。
「体にエネルギーが余っていると思わせない」
これが低インシュリンダイエットの秘密になります。

食事や飲みものから砂糖や炭水化物を摂取すると、血中の糖量が増え血糖値が上がります。
これが体がエネルギーが余っていると判断する材料となります。
血糖値があまりに高くなり血中にエネルギーがあふれた危険な状態だと感じた場合、体はインシュリンというホルモンを分泌します。
血中に送られたインシュリンは、糖をエネルギーとして筋肉に送り、それでも血糖値が高ければ更に脂肪はもちろんのこと、余っている糖までも脂肪に変えて体内に蓄えます。
同時に既に蓄えてある脂肪が血中に出ないように、脂肪の分解を制御します。
それだけではなく、インシュリンの活躍で血糖値が一気に下がると、今度は低血糖の状態になって空腹を感じ、甘いものがほしくなってしまいます。
血糖値を急上昇させさえしなければ、インシュリンはおとなしく引っ込んでいます。

血糖値の上がり方をゆっくりにして、インシュリンの分泌を低く抑える

これが低インシュリンダイエットの秘訣になります。
ダイエット食のポイントはカロリーだけではなく、血糖値の上げ方に着目する方法もあるのです。

秘訣はGI値

食べものによって血糖値の上がり方は異なります。
駆け足で糖に変わって血液中に飛び込み、あっという間に血糖値を上昇させるものもあれば、ゆっくりのんびりと糖に変わり、血糖値を少ししか上げない食べものもあります。
前者はスポーツ選手がトレーニングする時に食べるには最適な食べものです。
でも運動をしなければ、どんどん脂肪が増加してしまいます。
一方後者は、血糖値をあまり上げないので、インシュリンも分泌されず、エネルギーはじっくりと使われることになります。
マラソンなど持久力が必要なスポーツ選手や、運動をしない人に適したスローフードです。
そのスローフードを知れば、特別な運動をせずにダイエットができます。
大豆など和食素材にもスローフードがたくさんあります。それを見つける手がかりが、GI(グリセミック・インデックス)値です。
GI値は糖に変わる食べもの、つまり炭水化物が体内で糖になって血液中に入る速さを示しています。

GI値のリストを見るとき、気をつけなければいけないことがあります。
まずGI値とは相対的な数字で、カロリーのように食品を分析して計れるものではありません。
実際に被験者に1つ1つの食品を摂ってもらって計っています。
たとえばブドウ糖を摂った場合の血糖上昇度を100として、それに対して他の食べものを摂った場合の血糖上昇度がどれくらだったか、相対的な比として出されています。
なので「この食材とその食材とでは、どちらの方が速いのか?」と比較する時に使うものになります。
決してカロリーのように足し算して使うものではありません。
また、ブドウ糖を100とするものの他、白パンや白米を100とするものがあり、基準が変われば数字は異なってきます。
ネット上にもたくさんのリストがあり、別々のリストに載っている食品同士を数字だけで見て比べると間違ってしまいます。
血糖値上昇に関する数字なので、体内で糖に変わる炭水化物が対象となります。

この点に注意して、調味料その他の食品との組み合わせも考えてGI値の低い食品を選んでみましょう。

GI値リスト

グリセミック・インデックス(GI)値リスト

穀物・パン・麺類 野菜類 野菜・いも類 肉類・魚介類
食パン 95 にんじん 80 じゃがいも 90 ちくわ 55
フランスパン 95 かぼちゃ 65 山芋 75 かまぼこ 51
精白米 88 ごぼう 45 とうもろこし 75 ツナ缶 50
もち 85 たまねぎ 30 長芋 65 ベーコン 49
うどん 85 トマト 30 さといも 64 サラミ 48
ロールパン 83 オクラ 28 60 つみれ 47
そうめん 80 長ネギ 28 銀杏 58 ハム 46
赤飯 77 キャベツ 26 さつま芋 55 豚肉 46
ベーグル 75 ピーマン 26 らっきょ 52 ソーセージ 46
コーンフレーク 75 サヤインゲン 26 レンコン 38 鶏肉 45
胚芽精米 70 大根 26 松茸 29 牡蠣 45
クロワッサン 70 竹の子 26 えのき 29 うに 44
玄米+精白米 65 グリーンアスパラ 25 エリンギ 28 しじみ 44
玄米フレーク 65 ブロッコリー 25 椎茸 28 あわび 44
パスタ 65 春菊 25 しめじ 27 うなぎ蒲焼 43
中華麺 61 かぶ 25 なめこ 26 ハマグリ 43
おかゆ(精白米) 57 ナス 25 きくらげ 26 ホタテ 42
玄米 55 セロリ 24 マッシュルーム 24 アサリ 40
ライ麦パン 55 かいわれ大根 24 モロヘイヤ 24 まぐろ 40
オートミール 55 クレソン 23 こんにゃく 24 えび 40
そば 54 小松菜 23 にがうり 24 イカ 40
50 チンゲンサイ 23 しらたき 23 たらこ 40
全粒粉パン 50 キュウリ 23 レタス 23 ししゃも 40
パスタ(全粒粉) 50 サラダ菜 22 みょうが 23 しらす 40
おかゆ(玄米) 47 ほうれん草 15 もやし 22 イクラ 40
牛乳・乳製品・卵 豆腐・海藻類 果物 砂糖・菓子・飲料水
練乳(加糖) 82 こしあん 80 イチゴジャム 82 麦芽糖 105
アイスクリーム 65 つぶあん 78 パイナップル 65 氷砂糖 100
生クリーム 39 厚揚げ 46 黄桃缶詰 63 上白糖 99
クリームチーズ 33 小豆 45 レーズン 57 チョコレート 91
ドリンクヨーグルト 33 グリーンピース 45 みかん缶詰 57 大福餅 88
マーガリン 31 油揚げ 43 バナナ 55 ドーナツ 86
スキムミルク 30 豆腐 42 ぶどう 50 キャラメル 86
バター 30 おから 35 マンゴー 49 フライドポテト 85
30 納豆 33 メロン 41 ショートケーキ 82
低脂肪乳 26 大豆 30 41 ホットケーキ 80
牛乳 25 枝豆 30 37 みたらし団子 79
プレーンヨーグルト 25 カシューナッツ 29 さくらんぼ 37 クッキー 77
アーモンド 25 りんご 36 ハチミツ 75
豆乳 23 洋梨 36 メープルシロップ 73
ピスタチオ 23 キウイ 35 クラッカー 70
ピーナッツ 20 ブルーベリー 34 カステラ 69
ひじき 19 プルーン 34 プリン 52
昆布 17 レモン 34 ココア 47
青海苔 16 32 ゼリー 46
寒天 12 オレンジ 31 100%果汁ジュース 42
もずく 12 グレープフルーツ 31 カフェオレ 39
ところてん 11 パパイヤ 30 果糖 30
いちご 29
アボガド 27

空腹時摂取後30分の血糖上昇率(ブドウ糖を100とした場合)および、食品100g中の糖質含有量より算出されたものです。
このリストはブドウ糖を100とした場合に、各食品が体内で糖に変わるスピードを相対的に示したものです。
同じ食品でも、品種や調理法によって値は変わってきます。あくまでもいくつかの食品を比較して、どちらがよりインシュリン分泌を低く抑えられる食品であるかを見るため参考としてお使いください。

低インシュリンダイエットのポイント

POINT1

食事の際はGI値の低い食材を選ぼう

POINT2

同じ食材でも硬いインディカ米などの原始的品種、胚芽米や玄米など精製されていない食品のほうが、よりGI値が低い
日本米より硬いインディカ米、精製した白米より玄米、麦でも柔らかくゆでたパスタより、アルデンテのパスタのように、噛み応えのあるものほどGI値が低く、ダイエットに向いています。柔らかく口当たりがいいもの、ろくに噛まなくても飲み込めるものは太るもとになります。

POINT3

ジャガイモやトウモロコシは、GI値が高いので避けよう

POINT4

GI値が高い食品を摂る際は、せめて脂肪は少なめにしよう
GI値リストを見ると、パンやご飯など主食になるものが中心です。血糖値を上げるのが体内で糖になる炭水化物だからです。丼物などのように炭水化物中心の食事では、どうしても太ってしまいます。GI値が高い主食を食べる場合は、脂肪は少なめに控えるようにしましょう。

POINT5

繊維質、牛乳、酢など血糖値上昇を抑制する食品を最初に食べよう
GI値が高い炭水化物から食べると、血糖値がどんどん上がってしまいます。まずは一緒に食べたものの消化吸収を遅らせてくれる食べものから食べていきましょう。食べる順番でも低インシュリンダイエットの効果は違ってきます。

POINT6

カロリーを必要量以下までは減らさない
普通に日常生活を送っているだけでも、カロリーは消費されています。特に動いてない人でも女性では平均1500kcal必要と言われています。カロリー摂取量が低ければ、少ないエネルギーで体を維持できるように調整し始め、それでも足りない場合は筋肉からエネルギーを取り出すようになります。筋肉は痩せてしまうので基礎代謝が下がり、ますますエネルギーが余るようになってしまいます。

POINT7

動物性脂肪を控えめにして、高たんぱくのメニューを心がけよう
低カロリーを目指すとたんぱく質が不足がちになります。低インシュリンダイエットではこのたんぱく質が大切です。高たんぱく質メニューはインシュリンの分泌を抑え、グルカゴン(体内に蓄えられた脂肪を分解するホルモン)の分泌を促すのです。

POINT8

青魚やオリーブオイルなどの不飽和脂肪酸がおすすめ!
魚や植物油に含まれている不飽和脂肪酸は、善玉コレステロールを増やすのでヘルシーな脂肪です。魚にだけ含まれているEPAやDHAは、血糖値を下げる働きを持っています。オリーブオイルやピーナッツオイルなどもヘルシーな油です。

POINT9

食事と食事の間は空けすぎず、詰めすぎずないように!
空腹状態が長く続くと、体はそれに備えて脂肪をため込むようになってしまいます。3食きちんと食事を取ることを心がけ、昼食と夕食の間が長くなってしまう時は、間におやつ(ヨーグルトなど血糖値を抑える乳製品が理想的)タイムを摂るのもいいでしょう。食間は空けすぎないほうがいいと言っても、ダラダラと食べ続けてることはNG。食べる時間は数時間ずつ空けて、血糖値を下げてから食べるようにしましょう。

POINT10

できるだけ朝食はしっかりと、夕食は早めに軽く摂るようにしよう
体のエネルギーの使い方は、時間帯によって異なり、朝の代謝量は多く、夜にかけて次第に減っていきます。朝の方が食べても使われる量が多いから、脂肪になりにくく、夜遅く食べるほど使われずに余って脂肪になりやすいため、夕食は軽めに摂るようにしましょう。


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